近年、松阪市内で酪農家が肉牛の肥育に乗り出すケースが増加してきているといいます。
松阪牛農家の減少に歯止めをかけたい市が、牛の扱いを心得ている酪農家に和牛導入を勧めるなどと懸命に取り組んでいる成果が、少しずつ良い方向へ向かっているそうです。
松阪牛の将来は、肥育農家だけでなく酪農家にも託されている
松阪牛の将来は、肥育農家だけでなく酪農家にも託されていると言っても過言ではありません。
もともと乳牛をメインに育てていたところに、肉用の和牛を育てるという二本立ての経営に挑む酪農家ですが、規模はさまざま。本格的に松阪牛の肥育に取り組み始めたところから、乳牛を育てる傍らで試験的に和牛を導入したところまで、その差は大きいとはいえ市の試みは着実に進んでいるといって良いでしょう。
乳牛に比べて、松阪牛の世話自体は楽だという酪農家は多いですが、ただ太らせれば良いというわけではない松阪牛の肥育には、やはり試行錯誤を繰り返しているようです。
松阪牛は三年間じっと育てたあとにしか収入にならない
また、食用にする乳用牛なら二年ほどですむ飼育が、松阪牛となると約三年間となり、それだけ健康状態にも一層気を配ってやらなければいけません。
そして、乳用牛ならは毎月コンスタントに牛乳の売り上げが入りますが、松阪牛は三年間じっと育てたあとにしか収入にならないという点も大きな違いです。
三年間の運転資金に加え、格付けによって大きく売り上げが左右される松阪牛の肥育は、取り組む農家にも苦悩は耐えません。
それでも、古くから続く地域の特産・松阪牛を守りたいという思いから、地域が一丸となって松阪牛を守ろうと、現在でも様々な取り組みが行われています。