牛肉をはじめとする肉類には、力をつけて身体を温める作用があり、その栄養価も非常に 高いものとなっています。
優れた栄養素を持つ肉類ですが、年齢別に見た摂取量は、日本では一般的に高齢者ほど摂 取量の平均が低くなるといった傾向があります。
しかし、とある研究者たちがある地域に住む七十歳の方々の肉料理を摂取する頻度を追跡 調査した研究結果によると、加齢に伴い肉類を高頻度に摂取する比率は、それほど減るわ けではなく、女性ではむしろ増える傾向を示しました。
これは一つには、肉や牛乳を少ししか摂らない群は早く亡くなって、この対象に含まれな いことにもよります。
さて、ここで日本人の栄養所要量の一部を示したものを見ると、ライフステージにより数 値は若干異なっています。
しかし、20歳以後はいずれの年齢群でも栄養所要量が変わらないことに注意しなくてはいけません。
この所要量の解釈も間違っている人が多いといえることでしょう。
どの世代でも栄養バランスのとれた健康的な食生活を送る必要
例えば、一日のエネルギーは20~29歳の男では2550kcal、70~74歳では一人50kcalとな っています。これを同じ人が、二十歳代から70歳代にかけて700kcal減らすべきだと解釈 している人が、決して少なくはありません。
しかし、この所要量はそういったことを意味しるわけではありません。
20~29歳のエネルギーは身長171.0cmの人をモデルとしています。一方、70~74歳のエ ネルギーは、159.7cmの人をモデルとしているのです。171.1cmの20歳の男性が70歳になったときに減らして良いエネルギーは、ほんのわずかなものなのです。
年を取ってあまり動かなくなったからといって、あまり栄養をとらなくて良いというわけではありません。
お肉にしろ野菜にしろ、どの世代でも栄養バランスのとれた健康的な食生活を送る必要があるのです。